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おやすみピンクコート

架空の人物、ピーター・ピンクコートの日常を綴るブログです。

コールセンターは地獄の場所

そう改めて体感してしまった2週間だった。

だから逃げた。

そしてその地獄は、更に進化していて、そして東京で見たそれよりも、更に強いところだった。それもわかっていた。

だから、僕はやはり馬鹿だったと思う。そうなるはわかっていたのに、「お金のため」「東京に帰るため」という前提のためになら、頑張れると思っていた。

 

最悪の職場だった。でも、この地においては、一番良いところであった。

それもわかっていた。

そこは、東京の分社であることはそうなのだが、業務はこの地が本展だった。

それはわからなかった。

東京とは比較しても損失のないものが、備わっている。

 

ということで、東京と変わりのないものが求められる。

 

僕はかつて、その会社の競合ともいえる場所にて、同じような仕事をしていた。

でも、それが有利になるとも思っていなかった。経験があるので、少しはそうなるとは思っていたのかもしれない。

 

しかし、僕は思い出してしまった。その場所が「一番帰ってきたくない場所」だということを。

 

大企業のアウトソーシングとして、末端の末端として使われる、コールセンターの一員。かつては僕もそうだった。今にして思えば、もう10年以上前のことだし、その間に世間も変わってしまったけど、その世界は地獄のようだったと思う。

「言われたことをただただ忠実にこなす」「休憩時間は【休憩ボタン】を電話で押して、出て行く」「電話は常に録音、モニタリングされて、問題があるとあとでSVに怒らえる」「巨大組織で、誰も話さない。私語禁止。電話に声が入るから」

そこで働いたことが無い人には、「ふーんそんなもんなんだ」と思うかもしれない。

しかし、「そんな大変なんだ」と思うかもしれない。

 

そこで、働くこと。は非常に容易なこと。

だけどそこで働くことが地獄だと分かる人も多いから、応募しない。しかし、「誰でも出来る仕事」とされている仕事の中では、比較的高い時給を得ることはできる。

待っているのは、「コールセンター」の中に閉じ込められた、閉塞的な毎日の世界。お電話の向こうには、見知らぬ何らか要求や疑問や不満を抱えた人たち。その人たちの対峙。

もう、そういう世界ではなくなっているかもしれない、とは思ってはいなかったけど、やはりそういう世界はさらに進化していた。地獄が進化していた。

 

僕はそのようなところで「お電話」を取らなくてもいいところに行くことができた。

それは僕に解放をもたらしたのだが、ある日外されてしまってまた「お電話」に戻ることになった。

そのような「閉じ込められた場所」に嫌気が差していた僕は、ある会社にて、「外れた仕事」の募集があったので、応募したところ、受かった。

 

退社を伝えるとその会社からは「引き止め」があった。

僕がその担当から外れたので、また戻れるように別部署で用意する。とのことだった。新しい会社とその会社を比べると、比べるまでもなかった。まだ入社前だったが、新しい会社は、まだ小さいけれども大人気のサービスをやっていた。そして、立場もアルバイトから契約社員に上った。

新しい会社に入社後に、前の会社に書類を取りに言った際に、上司の女の人と話しをした。「新しい会社はどうですか?私も使ってますよ。最近凄く流行ってますよね」と僕が入った新しい会社のサービスを知っているようだった。

そして、「でももったいなかったな〜あの話」と、引き止めの話を持ち出してくる。

僕は「新しい会社、最高ですよ!アハハ◯◯さんも来ませんか?」と僕は言ってしまった。

新しい会社は僕が嫌いなものが一切無くなったところだった。

会社の自分の席(自分の席というのがあるのが感動した)の隣には、「部署で一番えらい人」が座っていて、その隣は社長だった。面接の時も社長だった。でも僕は社長だと気づかなかった。面接から帰って「もっとあの会社について調べよう」と思って、会社名で検索したら面接にいた人の顔が出ていたのだ。「あの人社長まさか」と思ってしまった。

この時点で、「脱出した」という気持ちになった。そして、その「隣の偉い人」はなんとタンクトップを着ていた。たしか夏だったから、一般的には普通なのかもしれない。「うへえ」と思っていると、外部会社との打ち合わせが入ったらしく、ハンガーからジャケットを取り出して着て、そこに向かった。

「すごいすごい」と思った。スーツを着ている人は、その後会社名になったサービスの部署「新規事業部」にはいなかったと思う。その時は。

 

「昼休み」も「いつとっていいんですか?」と聴くと「適当に」とのことだった。

それは、次の会社でもそうだった。そしてその次の会社でもそうだった。

でもそれは、本来あるべき姿なのだ。

昼休みは自由にとっていいし、フルタイムで働くのであれば、自分の席なんてあって当然なのだ。スーツだって着なくてもいい。営業職でもないのに。この前やめたところはスーツ、ネクタイ強制だった。派遣なのに。。。

 

長年に渡る細かい管理下に置かれていた自分が、おかしかったのだ。まるで監獄のような監視と管理の統治下にあっている場所、そうしなくては行けない場所が世の中にはある、ということ。もわかっていたのに。

 

なぜ、こんなところに戻ってきたんだろう。

最悪だ。自分は最悪だ。

戻ってきたくないところで、一番帰ってきたくないところに帰ってきてしまった。

 

「待呼」という言葉を久々に見た時、その言葉を見た時に僕は「ああもうだめだ」と思った。

「待呼」とは「電話を出るのを待っている人」を表す言葉。

「普通の会社」では使わない言葉だ。

その言葉は見ただけで、使われることはなかったけど、そのうちに使われただろう。

それを聞く前に、辞めることができてよかったと思う。

 

コールセンターは地獄の場所。

だから僕はそこにはなるべく電話をかけないようにしている。

かけなくてはいけないときは、丁重に、気を使わせないように。最後、切断の際には「ごくろうさまです。がんばってくださいね」と付け加えるようにしている。

どんな場所でも地獄には変わらない、と思うから。僕だけなのかもしれないけれども。